2009年12月04日(金)
Google日本語入力とかパブリックDNSとか [ディジタルな話題]
- いきなり登場の『Google 日本語入力』,柔軟すぎる変換候補が魅力に(マイコミジャーナル)
- Google日本語入力が描くIMEの未来像とは?(ASCII.jp)
- DNS参照を高速に - GoogleがパブリックDNSサービスを無料提供(マイコミジャーナル)
- Googleが無料DNSサービスをテスト公開,Webの高速化が目的(INTERNET Watch)
- Google,高速DNSサーバー「Google Public DNS」を公開(ITpro)
Googleが突如MacとWindowsに両対応したオリジナルIMEと,Webアクセスを高速化する(との触れ込みの)パブリックDNSサービスをベータ版ながら一般公開しましたねー。
最初聞いたときは「どうしてGoogleが日本語入力プログラムなんか作るんだろ」と思ったけど,どうやらGoogleサジェスト(Google検索の際に頻出キーワードの候補を表示する機能)をベースに,検索でよく使われる単語を機械的に抜き出して変換辞書を作っているっぽい。そのため,他のインプッドメソッドでは絶対に辞書に含まれないであろうインターネットスラングや特徴な単語などが次々と出てきます(例えば「のび太」と打ったら「のび太のくせに」といった候補も出てくるし,「俺」と入力したら「俺の嫁」なんてサジェストされたのには笑った^ ^;)。入力途中にどんどん変換候補が出てくるので,感覚的にはむしろ携帯の推測変換に近いのかも知れません。ただ,この変換候補は常にローカルの辞書“だけ”を参照しているのかが個人的にはやや疑問で,仮にネットワーク越しにGoogleのオンラインDBを参照していたら何を入力しているのかが筒抜けになりそーでイヤーンだなぁ,と(FAQにはいちお「入力した文字や文章がGoogle に送信されることはない」とは書いているケドね)。また,Google検索の統計データを元に辞書を作るというこの手法は興味深く,ある領域では非常に有効な手段だと思うけど,スラング的にあえて誤用している言い回しがたまたまネットで多く使われていると正しい言い方よりも上位に変換候補が出てくる可能性もあるので,やはり日本語の専門家が作る変換辞書も同時に必要かなと思うワケです。他にも,Googleが仮にIMEのシェアを握ってしまうと,インターネット検索だけではなく日本語のコンテキストすらGoogleの手の平にあるようにも感じられ,ボンヤリとした薄気味わるさもあります(何でも無料というやり方も,ね)。とはいえ,Windows版だけではなくMac版も同時にリリースしたその心意気やインストール後に再起動せずに使えるハンドリングのよさはあっぱれでございまする(^ ^)。
さてもう一方,こちらは日本語入力プログラムに比べるとやや地味だけど,ほぼ同じタイミングでパブリックDNSなるサービスも投入してきましたね。ルータやネットワークに直につながっているマシンのDNSサーバの参照先をプロバイダのものからGoogleが提供する「8.8.8.8」「8.8.4.4」に変更するだけで,Webサイトの接続速度が高速化するのだとか(スイマセン,まだよく試していないモノで^ ^;)。Webブラウザなどからインターネット上のWebサイトに接続する際,ドメイン名からIPアドレスに変換する“名前解決”という処理が行われるのだけど,この参照作業(DNSルックアップ)は意外と時間がかかるため,ページが表示されるまでの遅延要因になりうるのです。そこで,あらかじめ名前解決を行っているGoogleのDNS経由でアクセスすると参照処理が“軽く”なるため,相対的にWebページの表示速度が高速化するという原理みたいだけど(実際にはいろいろと複雑な処理が行われるのでしょう),おそらくDNSサーバは海の向こうにあると思うので現状では日本からのアクセスする限りそれほど高速化しないのでではないかな,とも思ったり。個人的にはアクセラレータ的な側面はそれほど興味がなく,気になるのはGoogle“様”が謹製DNSサービスを提供することで,利用者がどのWebサイトにアクセスしているのか(Googleに)筒抜けにならないか,ということなのですねー。こちらも短いサイクル(24〜48時間)でアクセスログを消すとは言っているけど,それを信じるしかないからねぇ。それと,よくもまぁ「8.8.8.8」なんてステキなIPアドレスを持っていましたなぁ,と(笑)。
何はともあれ,次に何を打ち出してくるか読めないGoogleには今後も目が離せません。
Posted by 神海 螢 / コウミ ケイ at 2009年12月04日(金) 23時29分 コメント ( 0 )