2009年03月28日(土)
高速道路の値下げを素直に喜んでいいのだろうか? [よもやま]
私は普段通勤時のパーク&ライド以外ではクルマに乗らないので,なぜそのような流れになったのかは詳しい経緯は分からないのだけど,いつの間にか地方(←この言い方は正直好きではない)の高速道路の通行料が休日のみ1,000円均一になってしまったようですな。「高速道路版青春18きっぷかよ」と思う一方,公共交通機関ではない(ETC付)自家用車のみを優遇する政策には正直違和感が…。私が思うに自家用車というのは本来私的な交通手段であり,公共交通機関とは違ってプライベートな空間を維持したままドアツードアで移動できるメリットがある分,その恩恵を与る者が付加価値分だけ負担する義務があるハズなんですよ(一応ガソリン税に含まれているという見方はできるが使い道がアヤシイ)。それなのに景気対策なのか,人気取りのためなのか場当たり的に(高速道路利用者のみ)ディスカウントする不平等な施策には腹立たしさすら感じてしまうね。有料道路と競合する路線を自前で運行するフェリーや鉄道会社はたまったものではないでしょう。またCO2削減だの温暖化防止だのと騒がれている環境コンシャスな今日,20XX年までに何パーセント削減するだのと謳っておきながら,公共交通機関の利用促進とは逆行することをやっているのにもかかわらず誰も矛盾を感じないのでしょうか。もっとも最近になって急に「鉄道は(相対的に)エコ」といった文句を前面に出してきている鉄道会社も(偽善っぽくて)何だかなぁという気はするけど,少なくとも排ガスをまき散らしながら何キロも渋滞にはまっている自家用車よりはエネルギー効率の点でマシでしょう。高速道路の通行料値引きは一応時限付きではあるものの,地方のフェリー会社や弱小私鉄・第三セクター系鉄道会社は,昨今の燃料費増加に加えて利用者のクルマ流れをますます促進されてしまうであろう今回の施策に戦々恐々としているだろうね。同じ税金をつぎ込むなら,疲弊している公共交通機関を再生させるために活かすべきだと思うのだけどなぁ…。少なくとも環境立国を目指すのならば,ね。
Posted by 神海 螢 / コウミ ケイ at 2009年03月28日(土) 15時17分 コメント ( 0 )