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2006年08月12日(土)

からくりサーカス完結 [よもやま]

1998年から連載が続いていた漫画“からくりサーカス”が完結し,ついにコミック最終刊が発売されました。とあるサーカスを舞台に話(オペラ“道化師”がベースにあるらしい)が繰り広げられていくのだけど,広げに広げた“大風呂敷”をよくもまぁうまく収束させたなぁ,と作者の技量にはただただ感服するばかりです。週刊誌ゆえ,ストーリーのゆがみや強引さ(少年誌というのもあるだろうね)も多少見受けられたものの,それ以上に,作中にみなぎる作者の“魂”にいつも圧倒されていました。本当にすばらしい作品とは,ストーリーの整合性以前に,人の心を揺さぶる“エモーション”に満ちているものなのだな,と思いましたね。

…ところで,この作品は少年誌のマンガながら,人間の本質についても考えされられる展開でした。中でも兄弟のエピソードにはかなりのページが割かれており,最終巻で敵役が「弟を助けるのが兄だもんなァ」というセリフをはくのだけど,これを読んでいると,ふと僕にとっての亡き弟と物語とが重なってしまい,なんとも言えない気持ちになってしまいました。僕自身,兄らしいことをあまりしてやれなかったなぁ,という思いと,生前弟も“からくりサーカス”を偶然読んでいて,ストーリーについてお互い語り合っていたよなぁ,という相似。“からくり…”が続くことによって,弟とのつながりを今でも保てていた気がしたのだけど,それも終わりを迎えてしまいました。でも,“サーカス”はいつかはフィナーレを迎えるもの。いまは,丸盆《リング》の余韻を静かに味わっていたいと思います。

Posted by 神海 螢 / コウミ ケイ at 2006年08月12日(土) 17時49分   コメント ( 0 )

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