2001年09月06日(木)
2001年09月06日の日記 [宇宙の底(旧サイトの日記)]
遅ればせながら,“千と千尋の神隠し”を見てきました。雑感でも書いてみたいと思います。
ビジュアル的には,ジブリ謹製ということもあって,相変わらず気合が入っていたようで。閉鎖的世界観が,ガラージュ【リンク】というゲームにも似ていて,個人的には好きでした。ただ,3Dの使い方がミョーというか,不自然さはありましたね。After Effectsを使って背景等一部3D化されているようですが,特に,花の中をくぐり抜けていくシーンは,「こりゃなんだ?」という違和感を受けました。3Dをいかに違和感なく2Dと融合させるかは,アニメ界の今後の課題ともいえませう(←何だか,えらそーに書いてしまった^ ^;)。
で,問題はストーリーの方です。正直いいますと,今回はイマイチ感がただよっているように感じられました。どーも,小さな話のツギハギぽく感じられ,全体を流れる一貫した論理構造(や伏線)を見いだせなかったですね。いろいろ書いたらキリがないですが,各キャラの存在理由がはっきりしない(ハクの設定など後付っぽいし)というか,ファンタジーという名の元,ストーリー内のいろんな矛盾をかき消しているような気もしました。あと,自立自立をちょっと主張しすぎかも。実際に宮崎氏が見てほしいと考えている“子どもたち”が観たとしても,必要以上に高い(と思えてしまう)ストーリーの抽象性が理解できないでしょうし,逆に大人が観ると,「自立心が強調されすぎだよな」と読み取ってしまうのデス。まぁ,いろいろ書いてしまいましたが,品のいい“ごった煮”的世界観は,観ていて楽しかったですよ。次回作は,純粋に楽しめる“冒険活劇”をきぼーんです>監督。
Posted by 神海 螢 / コウミ ケイ at 2001年09月06日(木) 21時00分 コメント ( 0 )