2005年10月16日(日)
きみに読むなんとやら [書評/かんそぉ]
最近みた映画(DVD)と本のかんそぉ。
きみに読む物語
映画ではなく,原作(翻訳)の方です。アマゾソの書評で結構評価が高かったので,買ってみたのだけど…うーん,個人的にはあまり響かなかったかなぁ。端的に言えば,最近流行の純愛系小説の範疇にはいるのだろうけど,ワタシがひねくれ者だからなのか,つい別の視点で読んでしまうのですねー。
ネタバレになるのであまり詳しくは書かないけど,二人の男女が十数年の断絶を経て再会→結ばれるってハナシで,女性の方が既に婚約済みで3日後には結婚することになっていたものの,初恋の人のことが忘れられなくて再会したら,やっぱりコッチの方が好きだった〜,みたいな(情緒もへったくれもない書き方だな^ ^;;)。でもね,挙式をあげるつもりだった婚約相手(ロンくん@弁護士)の立場はどうなのよ。二人は障害を乗り越えてハッピーエンドかもしれないけど(実際には事情があって100%そうとも言えないのだが),直前になって婚約破棄された男の方はあまりに不憫だな,とつい思ってしまいますね。しかも,このロンくんの人間性に問題があったわけでもなく(少々シゴト熱心なようだが),担当している裁判をワザワザ延期してまで,婚約者を探しに来たというのに,その仕打ちといったら(苦笑)。って,ワタシがさもロンくんの立場にいる(た)ような肩の持ちようだな(^ ^;;)。まぁ,そんなツッコミところのある小説です。でも,翻訳はこなれて読みやすいので,こういう穿った見方をしない“ココロの澄んだ”方にならオススメかも。
ターミナル
オンラインのDVDレンタルサービスで,予約リストの上位にずっと入れていたのだけど,いつも貸し出し中でなかなか借りることができず,ようやく先週送られてきました。
こっちはよかった! ある目的のためニューヨークに来た男が,空港に着いた途端母国でクーデターが起こり,無国籍状態になってしまうのですね。そこで,空港の外に出ようにも,パスポートが無効で入国を認められず,結果9ヵ月も空港のターミナルで生活する羽目になったというストーリーです。こういう設定だと,概してシリアスな展開になってしまいがちだけど,トム・ハンクスのコミカルな演技と小気味よい展開で,なかなか愉しいムービーに仕上がっています(もちろん,時折シリアスやシニカルな場面はあるけど)。ただ,この男の来訪の目的が,若干合理性に欠けるのがちょっと引っかかったかな(ネタバレになるので,ここで書きませんが)。あと,ビクター@主人公の英語の習熟速度が速すぎるような気も…。ちなみに,ロマンスの方は実らなかったものの,これはこれでアリかなという気もします。ハリウッド映画にありがちな主人公はすべてハッピーというのも,何だか芸がないからね。
追記:映画ターミナルは,ある程度実話に基づいているそうです(キャッチ・ミー〜にしても,最近のスピルバーグは実話からストーリーを作るのが好きなのかな)。ただ,こちらの方は空港で16年も生活したそうですが…。
Posted by 神海 螢 / コウミ ケイ at 2005年10月16日(日) 11時54分 コメント ( 0 )