2007年08月14日(火)
山陰・三江・福塩線回りでゆく姫路〜博多間25時間の鉄旅 [フォトログ*鉄道]
※この記事は2007年08月26日に作成しましたが,便宜上,撮影日を基準にタイムスタンプを振っています。
夏だ,18きっぷだ〜ということで,お盆の帰省に合わせ,中国地方最難関の路線“三江線”を攻略してきました(笑)。三江線は,島根県江津市と広島県三次市を結ぶ全長108.1kmの長大路線なのですが,通しで走る列車が一日3本しかないという,超ローカル線です。おまけに,昨年7月の豪雨の被害で約11ヶ月間も運休する事態になってしまい,なんとか復旧はしたものの,全線を通して過疎地帯を走っていることもあって,いつ廃止されてもおかしくない路線であります。元々閑散ダイヤであることに加えて,始点・終点の駅(江津/三次)へ物理的に行きにくいという乗りつぶしer泣かせな路線ですが,この度,山陽本線〜智頭線〜山陰本線〜三江線〜福塩線〜山陽本線〜鹿児島本線経由で姫路−博多間を移動するムチャな計画を立て,乗ってきました。
始まりの列車は姫路06:33発→上郡駅07:07。上郡07:15→鳥取09:25の智頭線普通列車に乗り換えます。智頭線は,山陰側から鳥取方面へショートカットできる陰陽連絡線ですが,第三セクターの智頭急行が運営する路線のため,青春18きっぷは使えません。そのため,18きっぷの時期に合わせて発売される“普通列車一日乗り放題きっぷ”とやらを別途買います(1,000円)。片道で元が取れるのでこれでもお得。
鳥取からは快速とっとりライナーに乗り換え(鳥取10:29→米子11:58)。今回の旅程では,1時間以上待ち時間があるのはここと岡山だけなので,昼・夕食用の駅弁を2つ買い込みました。
キハ121・126系気動車の軽快なエンジン音を聞きながら,窓外を流れる風光明媚な夏の山陰を満喫。
米子駅では3分乗り換えで,米子12:01→出雲市13:24に乗車。この区間は電化されているので,ワンマン化済の115系電車でした。写真は,ランチの弁当。
宍道湖(中海?)を進行方向右手に見ながら,玉造温泉を経て列車はやがて出雲市へ。出雲市13:30→江津15:01は,例によってちっこいキハ120系気動車でした。3両編成の電車からいきなり一両の小さい気動車になるので,車内は混み合っていましたね。
ようやく三江線始発駅江津へ到着。江津15:07→三次18:39に乗り換えます。江の川を沿って走る3時間半の長旅のスタート。
江津駅を出ると,川岸は急に狭くなり江の川が目の前に迫ってきます。しかしまぁ,列車の遅いコト。アチコチに制限30kmが設定されており,もどかしいことこの上ナシ。何でも,80カ所以上に速度制限がかかっている模様(先日の水害以降,さらに増えたらしい)。
浜原駅で列車交換。1時間40分以上走って初めて行き違いってどーなのよって気もしますが(^ ^;)。なお,浜原から口羽までは1975年に開業した比較的新しい区間で,線形も良好です(だけど,この区間が一番便数が少ない…)。
天気雨が降ってきました。なんだか落ち着かない空模様でしたね。
このあたりは,開業時期が新しいこともあって,山を躊躇せずにトンネルで貫いていますね。最短ルートで走るために,田舎には不釣り合いな高架橋もあるし…。写真は,ヘンテコ駅として名高い宇都井駅(ホームまで116段の階段を上らないといけないバリアフリーとはほど遠い駅^ ^;)周辺の風景です。
口羽駅で16分の待ち合わせ。線路とクロスする立派な道路ができそうな予感…。
三次駅では3分連絡のため写真は撮れず。跨線橋を渡って移動するのは構わないのだけど,同じホームに府中行きと備後落合行きの列車を止めるのはどうかと。うっかり備後落合行きに乗ってしまいそうになりましたよ〜(誤乗してたらヒサンだったね^ ^;;)。三次18:42→府中20:22,府中20:33→福山21:18,福山21:33→岡山22:32で岡山へ移動。写真は,昼間に鳥取で買った夕食用駅弁です。
人も少なくなった岡山駅で2時間ほど待機。翌14日のムーンライト九州乗って,岡山00:25→博多07:18を移動。ムーンライト九州号は,多客期しか走らないけど,快速扱いなので18きっぷで乗られるのがポイント。事前に座席指定券(510円)を取っておく必要はあるものの,岡山からだと日付が変わっているため1回分の18きっぷで乗車できるので,なんと3,000円以下で博多まで移動できてしまうのですね。これはきっと高速バスより安いと思いますよ〜。ただ,今となってはレアな客車運行ということもあって,運転士によっては起動時の衝動が大きく,慣れないと揺れで夜中に目が覚めるかも。あと多少減光はするものの,基本的に“明るい”車内なので,暗くしないと寝られない人は,アイマスク必須ですな。加えて,今どきの列車の違い,座席の下が“詰まっている”ため足が伸ばせません(リクライニングはよく下がるけど)。足の長い人も要注意かな(笑)。
…といった様子で,25時間かけて姫路−博多間を“走破”してまいりました。ムーンライト九州号は冷房がちょっと効きすぎでつらかったですな。確かに安いのはミリョク的だけど,同じ座席なら寝台特急あかつき号のレガートシートの方がまだ休めるかなぁ。もっとも値段も全然違うけどね。
三江線の感想…もうちょっと速くならないのでしょーか。横綱級の閑散路線とはいえ,あまりにも表定速度が遅すぎます。また合理化を極限まで進めているため,弾数(列車)は少ないわ,イヤになるほど速度制限がかかるわ,保線のための運休日があるわで,使おうにも使えなくなってしまってますね。全線が浜原−口羽間の規格で作られていたら,広島から山陰方面の陰陽連絡線としての重要度も増したかもしれないけど,高速道路が網の目のように走っているため,このあたりの主役はもはや…というか最初から高速バスのようです。抜本的に高速化を進めて線形改良するとか,または木次線のようにトロッコ列車を走らせて(ある意味)観光路線に特化するといった手を打たないと,今後生き残っていくのは極めてキビシイのではないでしょうか>三江線。
おまけ:臨時快速ムーンライト九州号の動画(2008年5月11日追加)
Posted by 神海 螢 / コウミ ケイ at 2007年08月14日(火) 21時00分 コメント ( 0 )