タスク管理の手法にデビッド・アレン氏が提唱するGTD（Getting Things Done） というものがありますが，本気でやろうとするとワリと大変で，正直なところマメな人じゃないとなかなか続かないと思うンですよね（参考：GTDまとめ）。とはいえ，当方も昨年は公私ともに忙殺されまくりで脳内にメモっているだけではタスクの取りこぼしが多数発生してしまい，目の前のシゴトをかたづけるだけで一杯いっぱいになっていたため，以前から利用していたRemeber The Milk（通称RTM）というサービスを使って，極力手間をかけずにGTD式（…もどきな）タスク管理ができないかと試行錯誤してみました。
ちなみに，以下に示すタスク管理／ワークフロー管理ツールも一通り試してみましたが，iPhone/iPadアプリの出来のよさもあって，私は結局軽量なRTMに戻ってしまいましたね。

• lino
• check*pad.jp
• Toodledo
• Nozbe.com
• Flow

GTDはまず「頭の中にある気になること」をすべて書き出すことから始まり，タスクの緊急性や粒度に応じて「INBOX」「いつかやる」「資料」「次にとるアクション」「プロジェクト」「連絡待ち」「カレンダー」などに分類していきます。そこで，私はRTMに「仕事」「プライベート」といったリスト（フォルダに相当）を作成し，タスクを大きく二つに分類してみました。以前は，「いつかやる」「資料」といったGTDの分類に対応したリストを作り，公私を区別せずにタスクを突っ込んでいましたが，リスト間の移動が面倒なのと，シゴト中にプライベートなタスクが見えると集中できないで，とりあえず大分類レベルで分けてみた次第です。
次に，タスクの一つ一つに対し，重要度や現時点の処理レベル（誰かに依頼すべきか，すぐに片付けるべきか，タスクをもう少し細かく分解すべきか）を判断していきます。その際，タスクの重要度はRTM標準の優先度設定を利用し，1〜4までの段階をつけてみました。さらに，処理レベルにおいてタスクの粒度が大きい（＝内容を再検討し，タスクを分割する必要がある）ものについては，RTMのタグ機能を使い，“+”記号を「プロジェクト」に属するものとして見なすことにしました。一方，GTDでは期限があるタスクは「カレンダー」に，期限がないがすぐに片付ける必要があるものについては「次にとるアクション」に分類することになっていますが，ここの仕分けは面倒なので，RTM上で期限を設けたタスクについては「次にとるアクション」へ，期限がないものについては「いつかやる」へ自動的に区分する（そのように一律見なす）ようにしています。また，誰かに任せる必要があるタスクについては，タスク名の先頭に“//”の二文字を加え，プログラムのコメントアウト的なマークを付与するようにしました。ちなみに「資料」に相当するタスクについては，リストを別途作成し，その他のタスクとは独立して管理するようにしています（「購入予定」「未読書」など）。
さて，ここからがRTMの真骨頂である検索オプションを多用していきます。個々のタスクをRTMに登録しても，GTD的な視点でタスク一覧を見渡せなければ意味がないので，次の検索条件（青枠の部分）を作成し，保存します。

[not assigned]：未分類タスク

list:受信箱

action：次にとるアクション

(list:仕事 or list:プライベート) not due:never not tag:+

project：プロジェクト

(list:仕事 or list:プライベート) and tag:+

waiting：連絡待ち（他の人に依頼中）

(list:仕事 or list:プライベート) and name:"//"

someday：いつかやる

(list:仕事 or list:プライベート) and due:never not tag:+

これで，一応GTDでいうところの「処理」と「整理」が半自動で行われるようになりました。あとは，週次レビュー（←あんまりやっていないケド^ ^;）時などに，タスクに日付を付与して「いつかやる」から「次にとるアクション」へ移したり，誰かに依頼する内容はタスク名の先頭に“//”の二文字を加えることで「連絡待ち」リストへ自動的に入れられるになります。また，タグに“+”マークがついている「プロジェクト」については，いくつかのタスクに分解後，適宜削除すればヨイでしょう。
あと，期限の近いタスクを見渡せるように，以下の動的リストもRTMに作っています（※スマホ・タブレットアプリのRTMには，最初から日付での抽出機能が備わっているので，PC版を使わないのであれば不要かも知れません）。

d=今日（仕事）：今日以前が期限のタスク（仕事）

list:仕事 and dueBefore:tomorrow

d=今日（プライベート）：今日以前が期限のタスク（プライベート）

list:プライベート and dueBefore:tomorrow

d=明日（仕事）：明日が期限のタスク（仕事）

list:仕事 and due:tomorrow

d=明日（プライベート）：明日が期限のタスク（プライベート）

list:プライベート and due:tomorrow

d=週間（仕事）：一週間以内が期限のタスク（仕事）

list:仕事 and dueWithin:"7 days of today"

d=週間（プライベート）：一週間以内が期限のタスク（プライベート）

list:プライベート and dueWithin:"7 days of today"

d=あり（仕事）：期限のあるタスク（仕事）

list:仕事 and dueAfter:yesterday

d=あり（プライベート）：期限のあるタスク（プライベート）

list:プライベート and dueAfter:yesterday

ちなみに，私はシステム開発等でWebベースの複数のイシュートラッキングシステムも併用していますが，トラッカーにチケットが追加される度に，手動でRTMにも転記しています。その際，こちらのWebサイトの情報を参考に，トラッカー側のURLを半自動でRTMに転記するためのBookmarkletを作成し，Webブラウザのツールバーにリンクを加えています。

javascript:(function(){var%20cp='http://m.rememberthemilk.com/add?name='+document.title+'&due=Today&url='+document.location;var%20w=window.open(cp,'addwindow','status=no,toolbar=no,width=200,height=610,resizable=yes');setTimeout(function(){w.focus();},500);})();

任意のWebページでBookmarkletをクリックすると，左図のようなサブウインドウが表示されるので，優先度や分類するリスト，タグなどを設定し，『タスクを追加』ボタンをクリックすると，RTMに追加されます。なお，このBookmarkletはモバイル版のRTM（http://m.rememberthemilk.com/）を利用しているので，あらかじめモバイルサイトにもログインしておく必要があります（時々セッションが切れて，再ログインが必要になることもアリ）。また，当方の環境の問題かも知れませんが，Mac版のSafariからはこのBookmarkletは正常に動作しなかったため，RTMへはChromeからタスクを追加するようにしています。

ちなみに，冒頭でも書いたようにRTMはiPhone/iPad/Android版のアプリも出ているので，スマートフォンやタブレット端末を持っている人は，併用するとさらに利便性が上がりますね。予定を毎日決められた時刻にプッシュで期限の近いタスクを知らせてくれるのは便利ですよ〜。