2010年05月29日(土)
映画RAILWAYSをみてきた [書評/かんそぉ]
前のエントリでも触れましたが,映画「RAILWAYS」を上映初日にレイトショーで観てきました。
映画のあらすじは,取締役も間近といわれる「エリート」サラリーマンの主人公が友人の死や母親が病に倒れるといった出来事を通じて,本当にやりたいことは何だったのかを思い出し,地元島根で「バタデン」(一畑電鉄/一畑電車)の運転士になるという少年の頃の夢を叶えるというもので,全編を通じて「ほんわか」としたムードに溢れていました。決して派手さはないものの,ときには試練あり涙ありといったように適度な起伏もあり,監督の郷土愛を深く感じる良作でしたね。
またテツ的にも萌えどころ満載(^ ^)。ある意味「国宝」級とも言えるデハニ50形がスクリーンの中を走る走る,それはもお不自然なぐらいに(笑)。また運転教習の風景や検修庫,CTC室など,普段あまり目にすることのない(できない)映像も満載で,一粒で二度おいしい(物語に感動し,テツ映像にもだえる^ ^;)作品です。
しっかり検証されていると思うので私の思い違いなのかも知れませんが,観たとき気になった鉄ヲタ的な重箱の隅ツッツキ・ツッコミを若干。(1)研修期間がすこし短いような。列車の運転士になるには1年半ぐらいかかると聞いたことがあるけど,映画の中ではあっさり研修も終わってウテシデビューしてましたね。逆にストーリー上,それぐらいの時間が流れているとしたら,ばあちゃん随分長いこと入院していたなぁと(スイマセン,些細なことです^ ^;)・(2)デハニ50は絵になるし,物語上この車両じゃないと成立しない場面もあるので致し方ないけど,一編成しかないデハニ50ばかり運転しているのは,すこーし違和感があったかも。
ちなみに物語の中で主人公が関係する不可抗力のトラブルによって,社長が謝罪会見するシーンがあったのだけど,フィクションとはいえ実在する会社(一畑電車)の看板の下でよく撮られたくれたなぁ,と関心しました。鉄道会社は労使関係がアレとよく聞くけど,もしこんな映画のようにハートフルな会社だとしたら,社員の士気は高いでしょうね。
…とまぁ雑多なことを書いてしまったけど,見終えてから分かったこともいくつか。映画の後半で「ホーランエンヤ」という12年に一度しか開かれない神事の映像が流れるのだけど,去年松江に行った(=一畑電車に乗りに行った)とき,実はこの場面を撮影している現場を偶然目撃しました。あのときは「何でこんなに人がいるのだろ」と不思議に思っていたけど,映画内に見覚えのあるシーンが出てきたので家に帰って調べたら,本来の祭りは5月に開かれるところ,映画のために8月に再現したのだとか(ソース)。で,その撮影日が松江に足を伸ばした日と同じだったことに気づき,ビックリした次第です(↓そのとき撮った写真。バスの中から見たのであまりいい画角では写せなかったけど)。
そうそう。映画「白い船」に通じるものを感じるとツイッターにつぶやいたところ,ある人から「RAILWAYSは同じ監督が撮った“島根3部作”」とのリプライがありました。どうやら,どちらの作品も錦織良成監督が撮られたようですねー。そういえば双方とも松江近辺が舞台だし演出もどことなく似ているなぁ,と思わず合点してしまいました。登場人物の恋愛感情を前面に出さず,そこはかとない雰囲気に留めているのも◎。こういう“奥ゆかしい”演出も個人的には好きです。
また,一畑口駅のスイッチバック構造をうまく使ったラストシーンもジーンとくるので,機会があれば一度映画館に足を運ばれてはいかがでしょーか。
Posted by 神海 螢 / コウミ ケイ at 2010年05月29日(土) 23時55分 コメント ( 0 )